2024年公開の映画『ミッシング』は吉田恵輔監督による作品で、主演の石原さとみさんは、行方不明になった娘の母親役で、鬼気迫る演技を魅せてくれます。
この作品のストーリーや元ネタなども解説していきたいと思います。
目次
あらすじ
静岡県沼津市で起きた少女の行方不明事件。
娘・美羽が行方不明になって3ヵ月、無事に見つかることを信じる母・沙織里と父・豊は日々、捜索のチラシを配るなどしているが、今だ手掛かりは見つかっていなかった。
焦りからイラ立つ沙織里と冷静に事を運ぼうとする豊の間で、温度差から夫婦喧嘩も多くなっていく。
今ではどこも扱ってくれなくなったこの事件を、唯一取材し続けてくれる地元のテレビ局。
この局の記者・砂田は、ただ事実を撮ることを信条としていたが、上層部からは、視聴率獲得のための指示を下され苦悩する。
焦燥の日々の中、ネット上の誹謗中傷やいたずら、意図しない報道に、沙織里は心を失いそうになっていくのだった。
キャスト
- 沙織里(娘を探す母)
演 – 石原さとみ
- 豊(沙織里の夫)
演 – 青木崇高
- 圭吾(沙織里の弟)
演 – 森優作
- 美羽(失踪する沙織里の娘)
演 – 有田麗未
- 砂田(地元テレビ局の記者)
演 – 中村倫也
- 三谷(新人記者)
演 – 小野花梨
- 不破(カメラマン)
演 – 細川岳
- 砂田の上司
演 – 小松和重
- 沙織里と圭吾の母親
演 – 美保純
元ネタになった実話がある？
映画「ミッシング」は吉田恵輔監督が脚本を手がけたオリジナル作品で、原作はありません。
元ネタとされている「山梨キャンプ場女児失踪事件」は、2019年に山梨県南都留郡道志村のキャンプ場で、当時小学1年生の女児が行方不明になった事件です。
行方不明になったのが同じ年頃の女児で、その母親がネット上で誹謗中傷を受けるなど、映画との類似点があり、この事件が元ネタではないかと言われていますが、あくまで噂で明言はされていません。
ネタバレありの解説
事件が起きて３ヵ月
行方不明になった美羽の両親である沙織里と豊は、チラシを配るなど捜索活動を続けているが何の手掛かりも掴めていません。
以前は全国でもニュースになっていたこの事件も、今では地元のテレビ局が取材するのみです。
夫婦の取材を続けている地元テレビ局の記者・砂田は、上層部から沙織里の弟である圭吾を取材するよう命じられました。
非協力的な沙織里の弟・圭吾
圭吾は美羽と最後に一緒にいた人間なのにもかかわらず非協力的で、沙織里の電話にも出ません。
やっとこぎつけた砂田との取材中も、質問に対してボソッと一言返すだけだったり、挙動不審で怪しい態度でした。
取材を受けたことによって近所の不良に絡まれたり、車にイタズラされたり、仕舞には仕事にも支障をきたします。
そんな圭吾にもう一度取材の依頼がありました。
圭吾は玄関のドアを固く閉ざし、取材を断固拒否の構えです。
しかし、沙織里に詰められ嫌々ながら、もう一度取材を受けるのでした。
そこで、なぜこんなにも取材に非協力的なのかが判明しました。実は当日、圭吾は違法カジノに行っており、それを隠すために取材を拒否したり、砂田の質問に対してウソをついていたのでした。
人間社会の闇
ネットの誹謗中傷や情報を掴めない焦りから、沙織里の心は壊れ始めます。
ある夜、沙織里のもとに情報提供のDMがありました。
ですが結局、情報はデマでDMの送り主はアカウントを消して連絡が取れなくなります。
焦りでイラ立つ沙織里と冷静に行動しようとする豊の間で、温度差による夫婦喧嘩が増えていきます。
いつものように砂田の取材を受けていた沙織里の携帯に、電話が掛かってきました。それは行方不明になった美羽が、無事保護されたという連絡でした。
沙織里は歓喜のあまり興奮しながらも急いで警察署へ向かいます。
しかし、それはイタズラ電話で美羽が保護された事実はなく、沙織里は泣き崩れ失禁までするのでした。
２年後
今だ娘の情報は何も掴めていなく、年月が経ち金銭面でも苦しくなってきました。
ある日、同じ地区で別の女児失踪事件が発生したというニュースが流れます。
沙織里は、もしかしたら美羽とも関係しているのではないかと、新たにチラシを作り捜索活動を続けます。
しかし、その事件は解決するものの美羽とは無関係なのでした。
弟との和解と結末
圭吾は、あやしい男と女の子が一緒に歩いているのを見て、まさかと思い男の家を覗いてみます。
すると逆に近所の人に怪しまれてしまい、暴行を受け通報されてしまいます。
連絡を受け病院に来た沙織里と車で帰宅途中、圭吾は美羽のことなどを涙ながらに謝罪しました。
お互い涙しながら二人は和解するのでした。
沙織里は交通安全のボランティアを始め、横断歩道を渡った子供たちを見つめているところで、この物語は終わります。
まとめ
結局、行方不明になった美羽のことは、何もわからないまま映画は終わります。
そういう映画ではないとわかっていても、つい娘が無事に戻ってくるとか、犯人が誰かなどを期待して見てしまいました。
描き出したいのは、こういう事件の当事者の心境やネットの闇、マスコミの報道のあり方なんだろうなと感じましたね。
いやぁでもあまりに切ない。ハッピーエンド好きの自分としては、何か少しでも救いがあって欲しいと思ってしまう結末でした。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました！
